# 夕映えのマルゴーに宿る、静かな炎のパヴィヨン・ルージュ

> シャトー・マルゴーのセカンドワイン、パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー2018は、グラン・ヴァンに通じる気品と精密さを備えた一本です。ボルドー左岸のマルゴー村らしいしなやかな骨格に、熟した果実と洗練された樽香が重なります。

## Metadata
- URL: https://budou-log.com/reviews/chateau-margaux-pavillon-rouge-du-chateau-margaux-2018
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- Published: 2026-05-25T00:00:50.523+00:00
- Updated: 2026-05-25T00:02:29.998938+00:00
- AI-generated: true
- Author: BUDOU-LOG編集部

## Wine
- Name: Château Margaux - Pavillon Rouge du Château Margaux 2018
  - Producer (JA): シャトー・マルゴー
  - Label (JA): パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー
- Type: red
- Region: マルゴー (https://budou-log.com/regions/margaux)
- Producer page: https://budou-log.com/producers/chateau-margaux
- Alcohol: 13%
- Grapes: メルロー, カベルネ・ソーヴィニヨン

## Tasting Note
- Score: 94/100
- Appearance: 濃いルビーから深いガーネット。縁はまだ若々しく、中心部に黒紫の密度があり、光沢のある透明感も感じる。
- Aroma (first): カシス、ブラックチェリー、プラムが主軸で、杉、鉛筆の芯、紫の花、上質な樽由来のバニラが重なる。
- Aroma (development): 空気に触れると、タバコ、湿った土、ミント、甘草、黒鉛が広がり、Margauxらしいエレガンスと香りの層が増す。
- Taste (attack): しなやかで滑らかな口当たり。果実の純度が高く、初動から緻密さが際立つ。
- Taste (mid): 中盤は黒系果実の凝縮感に、きめ細かなタンニンと洗練された酸が支え、ミネラル感とスパイスが輪郭を作る。
- Taste (finish): 余韻は長く、上品で静かな力強さが続く。果実と樽香、鉱物感が澄んだ形で残る。
- Serving temperature: 16-18度
- Decanting: 60分
- Levels (1-5):
  - Tannin: 4
  - Acidity: 4
  - Sweetness: 1
  - Body: 4

## Article

## 夕映えにきらめくマルゴー、気品を受け継ぐ赤の詩

### シャトー・マルゴーという名門の歩み

シャトー・マルゴーは、ボルドー左岸のメドック格付けで第1級に列せられる、最も象徴的なシャトーのひとつです。現在の名声の礎は18世紀から19世紀にかけて築かれ、特に19世紀初頭のマルキ・ド・コロンの時代に近代的な名門としての輪郭が整えられました。1855年のメドック格付けでも頂点に立ち、マルゴー村を代表する存在として世界的評価を確立しています。近年はコリーヌ・メンツェルの指揮のもと、畑仕事から醸造、熟成に至るまで緻密な品質管理を徹底し、クラシックでありながら透明感のあるスタイルを守り続けています。グラン・ヴァンに加え、セカンドワインのパヴィヨン・ルージュもまた、厳しい選果の思想を体現する重要なキュヴェです。

### パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー 2018が映す選果の精度

パヴィヨン・ルージュは、シャトー・マルゴーの若木やグラン・ヴァンに届かなかったロットを中心に構成されるセカンドワインです。ただし“残り物”というより、むしろシャトーの哲学をより早く、より親しみやすいかたちで味わえる別表現といえます。2018年は、湿潤な春ののちに夏以降の好天が続いた年で、メドック全体でも果実の成熟と骨格の両立が評価されたヴィンテージでした。ブレンドはカベルネ・ソーヴィニヨンを軸に、メルロと少量のプティ・ヴェルド、カベルネ・フランが支えます。畑はマルゴー村の砂礫質の丘陵上に広がり、鉄分を含む小石混じりの土壌が根に深さを与えます。発酵は区画ごとに丁寧に行われ、抽出は過度にせず、熟成にはフレンチオーク樽が用いられます。新樽比率は高めとされますが、樽香を前面に出すのではなく、果実とタンニンの調和を主眼に置く姿勢が一貫しています。市場価格が約3万8,000円という点からも、グラン・ヴァンの片鱗を比較的手の届く形で楽しめる一本として注目されています。

### グラスの中の物語、香りと味わいの輪郭

外観は深みのあるルビーからガーネット寄りで、若いワインに見られる紫の縁はすでに落ち着き、グラスの内側にゆっくりと脚が落ちる中程度の粘性が感じられます。第一香では、カシスやブラックチェリー、ブルーベリーの黒系果実が中心に立ち、そこへスミレ、杉、カカオ、鉛筆の芯を思わせるボルドーらしいニュアンスが重なります。空気に触れると、湿った土、ドライハーブ、タバコ葉、上質なオーク由来のバニラとロースト香が穏やかに開きます。口に含むとアタックは端正で、果実の厚みがありながらも輪郭はきわめて明瞭です。中盤では、熟したタンニンがきめ細かく舌を包み、酸が背骨となってワイン全体を引き締めます。2018年らしい凝縮感がありつつ、シャトー・マルゴー系の特徴である滑らかなテクスチャーが失われていません。余韻にはカシスリキュール、黒鉛、エレガントな樽香が長く残り、温度が上がるにつれてミネラル感と花の印象が静かに浮かび上がります。一般的な評価としても、2018年のパヴィヨン・ルージュは「上品さと力強さのバランスが秀逸」と語られる傾向があります。

### 食卓を彩る、気品に寄り添う料理

このワインには、骨格と香りの層を受け止める料理がよく合います。たとえば、仔羊のロースト・ローズマリー風味は、赤身の旨味とハーブの香りがカベルネ主体のストラクチャーと美しく響き合います。牛フィレ肉のロッシーニ風、フォアグラと黒トリュフを添えた一皿なら、凝縮した果実味ときめ細かなタンニンが贅沢な質感を引き立てます。さらに、鴨胸肉のロースト・赤ワインとカシスのソースは、ワイン中のベリー系アロマと自然に接続し、余韻を長く感じさせます。きのこ料理も好相性で、ポルチーニのリゾットや牛ほほ肉の赤ワイン煮込みのような、旨味と深みのある皿とも調和します。火入れはしっかりめ、ソースは濃厚すぎないバランスが理想です。

### マルゴー村とAOCが育む、砂礫のテロワール

産地はフランス、ボルドー左岸のオー・メドックに属するマルゴー村です。AOCマルゴーは、メドックの中でも特に芳香性としなやかさで知られ、石灰質の下層を持つ砂礫土壌がカベルネ・ソーヴィニヨンに理想的な熟度を与えます。シャトー・マルゴーの畑は村の南部から中心部にかけて広がり、比較的高い標高差とよく排水するグラーヴの地質が、雨の多い年でも果実の清潔感を保つ助けになります。ジロンド河口からの穏やかな海洋性気候は、極端な寒暖差を和らげ、長い成熟期間を可能にします。こうした条件が、マルゴーらしい“軽やかなのに深い”印象を生み、パヴィヨン・ルージュ2018においても、力強さを抑えた優美さとして結実しています。
