# 夕闇のマルゴーに灯る、シャトー・パルメ2019の静かな熱

> シャトー・パルメ2019は、マルゴーの中でもひときわ官能的で、気品と密度を兼ね備えた一本です。メルロ比率の高さがもたらす丸みと、カベルネ・ソーヴィニヨンの芯が織りなす奥行きは、2019年の好条件を映し出します。

## Metadata
- URL: https://budou-log.com/reviews/chateau-palmer-chateau-palmer-2019
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- Published: 2026-05-27T09:01:11.105+00:00
- Updated: 2026-05-27T09:03:38.687827+00:00
- AI-generated: true
- Author: BUDOU-LOG編集部

## Wine
- Name: Château Palmer - Château Palmer 2019
  - Producer (JA): シャトー・パルメ
  - Label (JA): シャトー・パルメ
- Type: red
- Producer page: https://budou-log.com/producers/chateau-palmer-2
- Price (JPY): 38250〜51750

## Tasting Note
- Score: 97/100
- Appearance: 濃いガーネットから深いルビー。縁はまだ若々しく、厚みのある粘性と高い密度感があり、グラスの内側にゆっくりとした脚を残す。
- Aroma (first): カシス、ブラックベリー、プラムの熟した黒果実に、スミレ、杉、鉛筆の芯、ほのかなタールとスパイスが重なる、端正で深みのある香り。
- Aroma (development): 空気に触れると、砕いた石、トリュフ、湿った土、葉巻、カカオ、バラのニュアンスが現れ、果実の緻密さの中に複雑さと官能性が増していく。
- Taste (attack): 口当たりは滑らかで、凝縮した果実が広がる。酸とタンニンは緻密だが角がなく、初動から上品な重心を感じる。
- Taste (mid): 中盤は黒系果実、鉛筆の芯、シダー、スパイスが層をなし、メルロ由来の丸みとカベルネ・フランの芳香が調和する。ミネラル感と塩味が骨格を支える。
- Taste (finish): 余韻は非常に長く、果実、カカオ、湿った土、スパイスが静かに持続する。エレガントで力強く、最後まで緊張感が保たれる。
- Serving temperature: 16-18度
- Decanting: 120分
- Levels (1-5):
  - Tannin: 4
  - Acidity: 4
  - Sweetness: 1
  - Body: 5

## Article

## 夕闇のマルゴーに灯る、シャトー・パルメ2019の静かな熱

### シャトー・パルメの歩みと、マルゴーで際立つ名門の存在感

シャトー・パルメは19世紀半ばに現在の名で知られるようになった、マルゴー村を代表する名門です。1853年にイギリス軍将校シャルル・パルメが取得したことが、今日の名称の由来として広く知られています。その後、複数の所有者を経て、20世紀後半からはボルドーでも屈指の安定した品質を誇るシャトーとして評価を高めました。格付けは1855年のメドック格付けで第3級ですが、評論家や愛好家の間ではしばしばその枠を超える存在として語られます。

特に1970年代以降、精密な栽培管理と抽出の洗練、そしてブドウの熟度を最重視する姿勢が、パルメらしい官能性を形づくってきました。近年はビオディナミ的なアプローチを採り入れた区画もあり、テロワールの輪郭をより明瞭に表現する方向へ進んでいます。マルゴーの中でも、優美さだけでなく肉感を備えたスタイルとして知られ、左岸のクラシックなボルドーに濃密な表情を与える生産者です。

### Château Palmer 2019が描く、メルロの深みとカベルネの芯

Château Palmer 2019は、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、そして少量のプティ・ヴェルドで構成される、マルゴーらしいブレンドです。一般にパルメはメルロ比率が高めで知られ、この2019年も丸みと奥行きのある果実感が前面に出やすい年といえます。畑はシャトー周辺のマルゴー村一帯に広がり、砂利質の丘陵と粘土を含む区画が複雑に組み合わさることで、香りの立ち上がりと骨格の両立を支えています。

醸造は区画ごとの厳密な選果と、発酵後の丁寧な熟成が核です。新樽比率は高めのレンジで用いられることが多く、樽由来のトースト香を前面に出すというより、果実とタンニンの密度をゆっくりと整える方向に働きます。2019年は生育期の天候に恵まれた年として知られ、十分な熟度と酸のバランスを備えたヴィンテージと評価される傾向があります。市場価格は約45,000円とされ、格付けシャトーの中でも存在感のあるレンジです。

### グラスの中の物語、静かにほどける黒い果実と花の香り

外観は深みのあるルビーレッドからガーネットへ移ろう色調で、縁にわずかな紫のニュアンスを残すことが多いスタイルです。粘性はしっかりとしており、グラスの側面をゆっくりと流れる液筋が、このワインの凝縮感を示します。第一香ではブラックチェリー、カシス、熟したプラムがまず立ち上がり、そこにスミレ、バラのドライフラワー、微かに杉や鉛筆の芯の印象が重なります。

開くにつれて、タバコ、カカオ、トリュフ、湿った土、なめし革のような熟成香が現れ、マルゴーらしいエレガンスが輪郭を整えます。口に含むとアタックはなめらかで、メルロ由来の豊かな果実が先導しますが、中盤からはカベルネ・ソーヴィニヨンの直線的な骨格が現れ、タンニンはきめ細かくも密度があります。余韻は長く、黒系果実、スパイス、ミネラル感が重層的に残り、若いうちは威厳、熟成を経るとより官能的な深みを見せるタイプです。

### 食卓を彩る料理、香りの余韻を引き出す一皿

シャトー・パルメ2019には、繊細さと力強さを併せ持つ料理がよく合います。たとえば、仔羊のロースト・ローズマリー風味は、肉の旨みとハーブの清涼感がワインの黒系果実と美しく呼応します。牛フィレ肉のグリル・赤ワインソースも定番で、タンニンのなめらかさが肉の繊維を包み込みます。さらに、鴨胸肉のロースト・ベリーソースは、果実味の親和性が高く、パルメの華やかさを引き出します。

もう少しクラシックに寄せるなら、牛ほほ肉の赤ワイン煮込みや、ポルチーニ茸を添えた仔牛のソテーも好相性です。熟成を経たボトルであれば、トリュフを使ったリゾットや、きのこのソテーを添えたジビエ料理とも美しく調和します。高価な一本ではありますが、記念日の主菜を格上げするだけの説得力があります。

### マルゴー村の砂利と風が育てる、ボルドー左岸の核心

シャトー・パルメの舞台は、ジロンド川左岸のメドック地区、オー・メドックに属するマルゴー村です。マルゴーAOCはカントナック、マルゴー、スザック、アルサック、ラベスなど複数の村を含みますが、パルメが根を下ろすのはその中心的なマルゴー村周辺です。砂利混じりの土壌は水はけに優れ、カベルネ・ソーヴィニヨンの熟度を安定させる一方、粘土質の要素がメルロに厚みを与えます。

大西洋からの影響を受ける海洋性気候は、夏の過度な乾燥を和らげ、収穫期までの熟成を穏やかに支えます。ガロンヌ河口に近いこの地域では、日照、湿度、風のバランスが畑ごとの個性を際立たせ、マルゴーらしい「香りの上品さ」と「口中のしなやかさ」が形になります。シャトー・パルメ2019は、そのテロワールを濃密さと優雅さの両面から描き出した、マルゴーの現在地を示す一本です。
