# ポイヤックの夕映えに寄り添う、ラランドが描く静かな品格

> レゼルヴ・ド・ラ・コンテス 2020は、ポイヤックの名門シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドが手がけるセカンドワインです。メドックらしい骨格に、しなやかな果実味とエレガンスが重なり、若いうちから魅力を楽しめる一本として評価されています。

## Metadata
- URL: https://budou-log.com/reviews/chateau-pichon-longueville-comtesse-de-lalande-reserve-de-la-comtesse-2020
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- Published: 2026-06-11T00:00:49.144+00:00
- Updated: 2026-06-11T00:02:51.984833+00:00
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- Author: BUDOU-LOG編集部

## Wine
- Name: Château Pichon Longueville Comtesse de Lalande - Réserve de la Comtesse 2020
  - Producer (JA): シャトー・ピション・ロンジュヴィル・コンテス・ド・ラランド
  - Label (JA): レゼルヴ・ド・ラ・コンテス
- Type: red
- Region: ポイヤック (https://budou-log.com/regions/pauillac)
- Producer page: https://budou-log.com/producers/chateau-pichon-longueville-comtesse-de-lalande
- Price (JPY): 12750〜17250

## Tasting Note
- Score: 92/100
- Appearance: 深みのあるガーネットから紫がかった色調。若々しい輝きと密度があり、グラスの縁に細かな反射が見えるフルボディ寄りの外観。
- Aroma (first): カシス、ブラックチェリー、プラムに、杉、鉛筆の芯、スミレが重なる。上品で端正だが、濃密さと精妙さを併せ持つ第一印象。
- Aroma (development): 時間とともにタバコ、黒鉛、乾いたハーブ、カカオ、ほのかなオークが現れ、果実の艶が増す。ミネラル感とエレガンスが長く続く。
- Taste (attack): 滑らかでしなやかな口当たり。熟した黒系果実が先行し、すぐに清涼感のある酸が輪郭を整える。
- Taste (mid): 中盤はカシスやブラックベリーの果実に、セダール、スパイス、ミネラルが重なり、層の厚い構成。タンニンは細かく緻密で、力強さより洗練が際立つ。
- Taste (finish): 余韻は長く、黒系果実、スパイス、ほのかな樽香が静かに続く。後口に上質な苦みと品のある緊張感が残る。
- Serving temperature: 16-18度
- Decanting: 60分
- Levels (1-5):
  - Tannin: 4
  - Acidity: 4
  - Sweetness: 1
  - Body: 4

## Article

## ポイヤックの黄昏に灯る、しなやかな貴婦人の余韻

### Château Pichon Longueville Comtesse de Lalandeという名門の歩み

Château Pichon Longueville Comtesse de Lalandeは、17世紀後半から続く長い歴史を持つポイヤックの名門です。現在の礎は18世紀に築かれ、1855年のメドック格付けでは第2級に列せられました。ジロンド川左岸の中でも、カベルネ・ソーヴィニヨンの厳格さにメルロの柔らかさを重ねる、いわば「女性的な優雅さ」を備えたシャトーとして広く知られています。

とりわけ1980年代以降は、繊細さと精密さを両立させる造りで評価を高めました。1990年代にオーナーが変わってからも、名門としての格は揺らがず、今日ではポイヤックの中でも洗練された香りと滑らかなテクスチャーを備えるスタイルの代表格とされています。レゼルヴ・ド・ラ・コンテスは、その哲学をより親しみやすい形で表現する存在です。

### Réserve de la Comtesse 2020に宿る区画と醸造の精度

レゼルヴ・ド・ラ・コンテス 2020は、シャトーの若樹や選別された区画を中心に仕立てられるセカンドワインです。主にカベルネ・ソーヴィニヨンにメルロ、そこへカベルネ・フランやプティ・ヴェルドが加わる構成が一般的で、ヴィンテージによって比率は変わりますが、ポイヤックらしい張りのある骨格と、コンテス・ド・ラランドらしい丸みを両立させる方向に整えられます。

畑はポイヤック村の中でも、砂利質の土壌が広がる区画を多く含み、ジロンド川に近い恩恵で気候は比較的穏やかです。醸造では区画ごとの発酵管理を徹底し、コンクリートやステンレスを使い分けながら、過度な抽出を避ける傾向があります。熟成にはフレンチオーク樽が用いられ、新樽比率はグラン・ヴァンより抑えめとされることが多く、果実の輪郭を保ちながら奥行きを与える設計です。市場では約15,000円前後で見かけることがあり、名門の空気を比較的手に取りやすい価格帯で楽しめます。

### グラスの中の物語

2020年のレゼルヴ・ド・ラ・コンテスは、濃いルビーからガーネットへ移ろう外観が印象的です。中心部にはまだ若々しい紫のニュアンスが残り、グラスの縁には緻密な厚みが見えます。粘性は中庸からやや高めで、静かに杯に脚を落とします。

第一香では、カシス、ブラックチェリー、熟したプラムが前面に立ち、そこへ杉、鉛筆の芯、黒鉛のようなポイヤックらしい冷涼感が重なります。空気に触れると、スミレ、乾いたタバコ葉、スパイス、わずかなトリュフ香が現れ、より立体的な表情へ。口に含むと、アタックはしなやかで、凝縮した黒系果実がすぐに広がります。中盤では、きめ細かなタンニンが骨格を作り、酸が全体を引き締め、樽由来のロースト香が控えめに寄り添います。余韻は長く、塩味を思わせるミネラル感と、カカオ、スパイス、赤い果実の戻り香が穏やかに続きます。

2020年はボルドー全体として高く評価された年のひとつで、力強さと成熟感に加えて、比較的早い段階から味わえるバランスの良さが特徴とされています。この銘柄も、その恩恵をよく映した一本と言えるでしょう。

### 食卓を彩る料理との素敵な相性

レゼルヴ・ド・ラ・コンテス 2020には、ポイヤックらしい骨格に寄り添う、旨味と香ばしさを備えた料理が合います。たとえば、

- 仔羊のロースト ローズマリーとニンニクの香り

- 牛フィレ肉のグリル 黒胡椒と赤ワインソース

- 鴨胸肉のロースト ベリーソース添え

- 牛ほほ肉の赤ワイン煮込み

- 椎茸とトリュフのリゾット

特に、火入れで香ばしさが立つ肉料理とは相性が良好です。タンニンの輪郭が脂の甘みを受け止め、果実の芯がソースの深みと溶け合います。和食に寄せるなら、すき焼きよりも、醤油を軽く利かせた牛肉の網焼きや、味噌を使った照り焼きのほうが、ワインの品位を保ちやすいでしょう。

### ポイヤック村とジロンド川が育てる砂利のテロワール

ポイヤックは、ボルドーのメドック地区、サン＝テステフの南に位置する村名AOCです。ジロンド川に面した左岸の中でも、深い砂利層と小石混じりの土壌が特徴で、日中の熱を蓄えながら夜間に放出し、カベルネ・ソーヴィニヨンの完熟を助けます。川に近いことで霜や極端な暑さの影響が和らぎ、安定した成熟が得られやすいのも大きな強みです。

ポイヤックにはラフィット、ラトゥール、ムートンといった世界的なシャトーが並び、その中でChâteau Pichon Longueville Comtesse de Lalandeは、力強さ一辺倒ではない優美さで独自の地位を築いてきました。レゼルヴ・ド・ラ・コンテスは、そのポイヤックらしさを丁寧にほどき、果実、樽、土壌のニュアンスを穏やかに結び直した一本です。名門の輪郭を知る入り口としても、十分に魅力的な選択と言えるでしょう。
