# 紫の岩肌に灯る、エルミタージュの静かな炎

> M. ChapoutierのHermitage Monier de la Sizeranne 2018は、ローヌ北部を代表するシラーの魅力を、エルミタージュの石だらけの斜面から端正に引き出した一本です。名門の哲学、区画由来の個性、熟成ポテンシャルまで整理して解説します。

## Metadata
- URL: https://budou-log.com/reviews/m-chapoutier-hermitage-monier-de-la-sizeranne-2018
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- Published: 2026-06-21T00:01:40.299+00:00
- Updated: 2026-06-21T00:03:34.188441+00:00
- AI-generated: true
- Author: BUDOU-LOG編集部

## Wine
- Name: M. Chapoutier - Hermitage Monier de la Sizeranne 2018
  - Producer (JA): エム・シャプティエ
  - Label (JA): エルミタージュ・モニエ・ド・ラ・シゼランヌ
- Type: red
- Region: コート・デュ・ローヌ (https://budou-log.com/regions/cotes-du-rhone)
- Producer page: https://budou-log.com/producers/m-chapoutier
- Alcohol: 13.5%

## Tasting Note
- Score: 93/100
- Appearance: 濃いガーネットから深いルビー。縁はやや紫を残し、若々しい艶と密度の高さがあり、グラスにゆっくりと脚が落ちる印象です。
- Aroma (first): 熟したブラックチェリー、ブラックベリー、プラムに、シラーらしい黒胡椒やスミレ、鉄分を思わせるミネラル感が重なります。
- Aroma (development): 時間とともに燻した肉、オリーブ、甘草、カカオ、樽由来のトースト香が広がり、ハーブやタールのニュアンスが奥行きを与えます。
- Taste (attack): 滑らかで凝縮感のある果実が先行し、力強いが角の取れた印象です。
- Taste (mid): 黒系果実の厚みを、しっかりした酸ときめ細かなタンニンが支えます。ミネラル感とスパイスが中盤を引き締め、豊かながら重すぎません。
- Taste (finish): 長く続く黒果実とスモーキーな余韻。胡椒と塩味が残ります。
- Serving temperature: 16-18度
- Decanting: 60分
- Levels (1-5):
  - Tannin: 4
  - Acidity: 3
  - Sweetness: 1
  - Body: 4

## Article

## 紫の岩肌に灯る、エルミタージュの静かな炎

### M. Chapoutierが築いてきた、ローヌの現在地

M. Chapoutier（エム・シャプティエ）は、1808年にローヌ渓谷のタン・レルミタージュで創業した老舗です。今日では北ローヌを代表するトップ生産者の一角として広く知られ、エルミタージュ、コート・ロティ、クローズ・エルミタージュなどで高い評価を築いてきました。特にテロワールを明確に映す姿勢が強く、区画ごとの個性を尊重したキュヴェづくりで名を上げています。

また、シャプティエはビオディナミへの取り組みでも語られることが多く、畑の表情をそのまま瓶に閉じ込めるという思想が一貫しています。視覚障がいのある方への理解を深めるため、ラベルに点字を導入したことでも知られ、単なる名門にとどまらない文化的な存在感を持っています。Monier de la Sizeranneは、そうした哲学を比較的親しみやすい価格帯で伝える、看板的なエルミタージュです。

### Hermitage Monier de la Sizeranneに宿る、区画の記憶

この銘柄は、エルミタージュの丘の複数区画のブレンドで造られるシラー主体の赤ワインです。エルミタージュの中でも、東〜南向きの急斜面に広がる花崗岩質や石灰質を含む土壌、そしてレ・メアル、レ・ベサール、ル・グレフューといった著名な区画が思い起こさせるような、硬質さと深みを兼ね備えたスタイルです。

Monier de la Sizeranneは、かつてシャプティエ家に関わった名士モニエ・ド・ラ・シゼランヌに由来するキュヴェ名で、伝統への敬意も込められています。醸造は、区画の個性を損なわないよう丁寧に行われ、発酵後はオーク樽で熟成されます。新樽の香りを前面に出すのではなく、果実味、スパイス、ミネラルの層を整える方向に重心が置かれていると考えられます。2018年はローヌ全体で果実の熟度が得られた年で、このキュヴェでも凝縮感と滑らかさが両立しやすいヴィンテージです。

### グラスの中の物語

外観は深いルビーからガーネットへ向かう濃い色調で、縁にわずかに紫のニュアンスが残ることがあります。粘性はやや高めで、グラスの内壁をゆっくりと流れる印象です。第一香ではブラックチェリー、カシス、ブルーベリーの黒系果実が中心となり、そこに黒胡椒、シソではなくスミレのような花の気配、さらにオリーブやタプナードを思わせるローヌ北部らしい要素が重なります。

時間が経つと、燻した肉、なめし革、土、鉄分、甘草、ココア、乾いたハーブが開き、香りに奥行きが出てきます。アタックは引き締まっていながら、2018年らしい果実の厚みがあり、中盤ではタンニンが細かく均一に広がります。味わいはパワフルですが、単調ではなく、シラー特有の塩味を帯びたミネラル感が輪郭を整えます。余韻は長く、黒果実、スパイス、スモーキーなニュアンスが静かに残り、熟成によってさらに複雑さを増すポテンシャルが感じられます。

### 食卓を彩る料理との相性

このワインには、香ばしさと旨味を持つ料理がよく合います。たとえば、仔羊のロースト・ローズマリー風味は鉄板で、シラーのスパイス感と肉の香りが自然に寄り添います。鴨胸肉のロースト・赤ワインソースも相性がよく、果実味と酸味がソースの厚みを受け止めます。さらに、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み・マッシュポテト添えのような長時間調理の一皿では、ワインの骨格がとろけるような旨味を支えます。

もう少し軽やかに楽しむなら、胡椒を効かせたラムチョップのグリル、きのことフォン・ド・ヴォーのソース、黒オリーブを使ったラタトゥイユを添えたグリル野菜などもおすすめです。ハードタイプのチーズでは、コンテの熟成タイプやサン・ネクテールもよく寄り添います。

### エルミタージュの丘、タン・レルミタージュとトゥルノンのあいだで

Hermitageの産地は、ローヌ川左岸のエルミタージュの丘にあります。中心となるのは、タン・レルミタージュとその対岸トゥルノン・シュル・ローヌを見下ろす急斜面で、花崗岩や黄土、丸みを帯びた礫、風化した岩盤が複雑に入り混じります。北向きの風であるミストラルがブドウの健全性を保ち、昼夜の寒暖差が果実の緊張感を支えます。

特にレ・メアル、レ・ベサール、ル・ディオーヌ、ル・グレフューといった区画は、エルミタージュの威厳を語るうえで欠かせません。Monier de la Sizeranneは単一区画の派手さではなく、丘全体の輪郭を凝縮したような味わいで、エルミタージュというAOCの本質を比較的わかりやすく示します。約2万円という市場価格を踏まえると、偉大な産地のスケールを体験できる現実的な選択肢としても魅力的です。
