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アコンカグアの夕映えに映える、モンテス・アルファM 2020の静かな威厳

モンテス・アルファM 2020は、チリを代表する造り手モンテスが手がける旗艦級の赤ワインです。アコンカグア・ヴァレーの温暖な気候と冷涼な風が、カベルネ・ソーヴィニヨン主体の重厚さに洗練を与えます。力強さとエレガンスが同居する一本として知られます。

BUDOU-LOG編集部
アコンカグアの夕映えに映える、モンテス・アルファM 2020の静かな威厳

アコンカグアの夕暮れを纏う、静かな威厳

モンテスという名門が切り開いたチリの新しい頂

モンテスは1988年にアウレリオ・モンテスとダグラス・マレーによって設立され、チリの高品質ワインを世界へ押し上げた先駆者として知られています。とりわけ1990年代以降、バレル・セラーでの音楽を用いた熟成の逸話や、国際市場での評価の高まりによって、モダン・チリの象徴的存在となりました。アコンカグア・ヴァレーの恵みを精緻に引き出す姿勢は一貫しており、濃さだけでなく、骨格と余韻を重んじる哲学が明確です。モンテス・アルファMは、その頂点に置かれるフラッグシップとして、同社の審美眼を最も雄弁に語る銘柄と言えます。

モンテス・アルファM 2020が描く、五つの品種の精密なレイヤー

モンテス・アルファM 2020は、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、カベルネ・フラン、メルロ、プティ・ヴェルド、マルベックをブレンドしたボルドー系の構成です。ぶどうはアコンカグア・ヴァレーの選抜区画から収穫され、熟度と酸の均衡が取れたロットだけが採用されます。土壌は沖積性の砂礫や粘土を含み、排水性が高い一方で樹勢を抑え、凝縮感のある果実を生みやすい条件です。醸造は小区画ごとに丁寧に行われ、発酵後はフレンチオーク樽で熟成されます。新樽比率を含む樽使いはしっかりしていますが、木香を前面に出すというより、果実、スパイス、ミネラル感を一体化させる方向に振られています。2020年は全体に熟度が乗りつつも、輪郭の引き締まった仕上がりとされる傾向があり、同銘柄の緊密なスタイルがよく表れています。

グラスの中の物語、深紅から黒紫へほどける緊張感

グラスに注ぐと、色調は深いガーネットから黒紫へと移ろい、粘性も高めで、液面に静かな厚みが見られます。第一香では、カシスやブラックチェリー、熟したプラムといった黒系果実が中心に立ち、そこへ杉、シガーボックス、カカオ、ドライハーブのニュアンスが重なります。しばらく開くと、スミレ、鉛筆の芯、黒胡椒、ほのかなタバコ葉が現れ、アコンカグアらしい陽光の濃さに、冷涼な風がもたらす直線的な美しさが加わります。アタックは豊かで滑らか、中盤では果実の厚みと緻密なタンニンが折り重なり、味わいに立体感を与えます。余韻は長く、ブラックベリー、ローストしたスパイス、トースト、ミネラル感が静かに残ります。力強いのに重すぎず、完成度の高い2020年らしい均整が感じられます。

食卓を彩る料理、濃密な果実味に寄り添う一皿

モンテス・アルファM 2020には、しっかりした旨味と香ばしさを備えた料理がよく合います。たとえば、仔羊のロースト・ローズマリー風味は、ハーブの青さと赤身の甘みがワインの黒系果実と共鳴します。牛ほほ肉の赤ワイン煮込み・マッシュポテト添えは、長い余韻と煮込みの深いコクを自然につなぎます。さらに、黒胡椒を効かせた鴨胸肉のロースト、あるいは茸のリゾット・パルミジャーノ仕立ても相性が良く、樽由来のトースト香と旨味の層が料理を包み込みます。熟成チェダーやコンテなど、ハードタイプのチーズにも向きますが、脂や塩分がきれいに収まるため、肉料理では特に真価を発揮します。

レイダの谷からアコンカグアへ、海風と太陽が育てた輪郭

産地のアコンカグア・ヴァレーは、チリ中部のヴァルパライソ州に位置し、内陸へ伸びるアコンカグア川流域に広がる産地です。海に近い西側は冷涼な影響を受け、朝夕の寒暖差がしっかりと残る一方、内陸側は日照に恵まれ、黒ぶどうの熟度を得やすいのが特徴です。とくにサン・エステバンやロス・アンデス周辺では、アンデス山脈からの冷気と沖積土壌が、凝縮感と張りのある酸を両立させる土台になります。チリの中でも早くから国際的評価を受けた産地の一つであり、カベルネ主体の上級赤にふさわしいスケール感を備えています。モンテス・アルファM 2020は、この産地の太陽と風、そして精密な栽培の成果を端正に束ねた一本です。

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BUDOU-LOG編集部